中芸広域連合について
中芸広域連合 : 2020年01月30日
はじめに
中芸地域の各町村は、人口の減少と自主財源の乏しい財政状況の中で、少子・高齢化や過疎化などの地域の課題を克服し、多様な住民ニーズに的確に対応することが求められている。
このため、旧中芸行政組合や中芸地域開発促進協議会のこれまでの実績のうえに、平成10年7月からは広域連合制度を導入し、これまで以上に行財政運営の効率化を図り、消防、環境や福祉などの分野において行政サービスの充実に取り組むとともに、そのための指針となる広域計画を策定し、新たな広域行政を推進してきた。
今、地方行政は、平成12年4月から地方分権一括法の施行や平成13年6月に取りまとめられた「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(いわゆる「骨太の方針」)にはじまる地方財政の三位一体の改革の推進により、都市と地方との経済的格差が拡大するなど、地方の財政状況は悪化の一途をたどっている。
このような動きの中で、地方が行政サービスの水準を維持し、地域住民の質が高く安全で安心できる生活を実現していくためには、更なる行財政改革を推進していかなければならない。
広域連合においてもその機能を十分に発揮し、これまで以上に付託された業務を効果的かつ効率的に実施することが必要となっている。
分権型の行政システムが始動したことから、今後、広域的な業務を効果的に実施するためには、権限移譲の受け皿として広域連合の機能を十分に発揮する必要がある。
また、付託された業務に限らず住民サービスや行政効率の向上を図るため事務の広域化が有効な手段であるものについては、その受け皿としての役割を果たしていかなければならない。
中芸広域連合は、広域行政の担い手として主体的な取組を確保し、各町村行政に対しても積極的な政策提言を行うなど、戦略的な地域づくりの役割を担うことが大切である。
連合組織図
中芸広域連合の概要
設立
平成10年7月1日
構成町村
安田町、田野町、奈半利町、北川村、馬路村
管内面積 449.61平方キロメートル
管内人口 12,177人(平成23年 3月31日、住民基本台帳)
事務所
安芸郡安田町大字東島2017番地(中芸広域体育館内)
議決機関
議会議員定数 15人(各町村3人ずつ)
執行機関
広域連合長1人、副広域連合長4人、会計管理者1人、
選挙管理委員4人、監査委員2人
処理事務
- 消防及び救急に関する事務
- し尿処理に関する事務
- 少年の健全な育成指導及び補導に関する事務
- 中芸広域体育館の設置、管理及び運営に関する事務
- 介護保険法に基づく事務
- 広域ごみ処理施設の設置、管理及び運営に関する事務
- 火葬場の設置、管理及び運営に関する事務
- 保健福祉に関する事務
- 関係町村の企業立地に関する事務
広域連合設立の背景
中芸広域連合は、高知県では初めての広域連合として平成10年7月に設立されました。それまで、当中芸地域には2つの一部事務組合があり、消防・救急、し尿処理、少年の健全育成に関する事務及びゴミ処理(奈半利町と田野町で組織)に関する事務を行っておりましたが、平成12年度から始まる介護保険制度、平成14年に開催される高知国体会場としての体育館整備などが課題となってきました。また、平成7年の地方分権推進法の制定を受けた地方分権推進計画などにより地方分権の具体化が進んでおりました。
こうした状況の中で、「中芸地域広域連合制度検討会」を組織し、少子高齢化や過疎化の進行といった地域的課題への取り組み、地方分権や多様化・高度化する住民ニーズとこれを支える行財政環境について
・財政コストの低減と行政サービスの充実
・地域自らの工夫と主体性の発揮できるシステム、などの観点から現状や将来的な展望を検討した結果、広域連合を設置することとなった。
広域業務の概要
- 消防及び救急に関する事務(S45年、中芸消防組合設立)<br>現在は1消防本部、1消防署1分署で、本部に総務・予防・警防・救急の各係を置き、消防署に消防車・救急車を配置し、2交代制により業務を行っております。
- し尿処理に関する事務 (S49年、中芸衛生組合設立)<br>S49年、し尿の共同処理業務を開始、管内より収集されたし尿及び浄化槽汚泥の処理を行っております。現在の施設は、H8年に新設されたもので、膜分離高負荷脱窒素処理方式により、26kl/日を処理しております。
- 少年の健全な育成指導及び補導に関する事務<br>S46年、育成センター設立以来、関係機関との連携・協力の下、青少年健全育成と非行防止活動を行っております。(運営委員会2回、補導委員会5回、合同補導週1回、子供会駅伝大会他)
- 中芸広域体育館の設置、管理及び運営に関する事務 <br>H13年に開館、14年に高知国体成年男女バレーボール会場として使用。その後は、近隣市町村のスポーツ大会やクラブ、スポーツ愛好者等が利用している。(H22実績・・・アリーナ10,320人、トレーニング室4,718人)
- 介護保険制度に関する事務<br>H12年の介護保険制度の開始に伴い介護認定事務を共同で実施、H15年から中芸広域連合を保険者として保険業務の一元的な運営を進めている。(保険業務の内、保険料の窓口収納、各種申請の受付業務は町村でも行っている。被保険者数 4,517人、介護認定者数 797人、受給者・・居宅394人、施設180人認定審査会(2合議体)月4回実施。)
- 広域ごみ処理施設の設置、管理及び運営に関する事務<br>奈半利町・田野町ごみ処理組合の業務を引き継ぎH18年安芸広域ごみ処理施設の稼働まで、両町のごみ処理業務を行う(現在、同組合へ職員1名を派遣)。その間、容器包装リサイクル法の施行に伴い、リサイクルセンターを設置し、ペットボトルやビン・カンなどの資源ごみ及び乾電池等の有害ごみ中間処理と保管・搬出を行っております。(H22実績 搬入量・・341t、搬出量・・190t)
- 火葬場の設置、管理及び運営に関する事務<br>H7年頃から広域での設置を検討してきたが合意に至らず、近隣の施設を利用していたが、受入制限が実施されることとなり、奈半利町火葬場横に新設、H19年着工、H20.9月供用開始(火葬炉2基)。H22実績・・272件(火葬266件、改葬6件)
- 保健福祉に関する事務<br>H21年度から広域連合の業務に追加し、乳幼児健診などの母子保健や高齢者・働き盛りの方に対する健康づくり事業、障害者に対する自立支援医療など67業務を実施。
- 広域的な観光に関する事務<br>H22年度から広域連合の業務に追加し、中芸広域に跨る旧魚梁瀬森林鉄道関連の業務を実施。(大手旅行会社等のツアーで39件、1,258人が訪問…H21年に鉄道遺産が、国の重要文化財として全国初の広域指定される)
- 関係町村の企業立地に関する事務<br>H13年度から広域連合の業務に追加されているが、実績はない。